1、本業とのトラブルを回避したい!
まずは本業の就業規則の確認から
安定した副業生活を送るために、まずは就業規則で会社が副業についてどう規定しているか知っておくことが大切。10人以上の社員がいる会社には作成の義務がある就業本業とのトラブルを回避したい!まずは本業の就業規則の確認から規則、その中で服務規律などの項目を見てみよう。副業を禁止するところも多いが、事前に届出をした後、判断される場合も。
では法律はどうなっている? 現在の日本の労働法の範ちゅうでは、副業に関する直接的な規定が存在しない。グレーゾーンである理由に、副業は本業の就業時間外の私生活にかかわることであり、企業の権限は原則及ばないという解釈が主流だから。万が一訴訟となった場合に、裁判所の判断としては、副業を許可することで実質的な損害が企業に発生した場合のみ、会社の副業禁止規定が有効になるようだ。
あなたの会社は副業を容認していますか?

本誌の読者アンケートによると、会社の約5割が就業規則により副業を禁止している。さらに約4割が「分からない」と回答。表立って聞けない社内環境も影響してか就業規則をチェックしていないのかもしれない。不況時に“ワークシェアリング”という考えが普及し、残業代減少に伴い企業側も副業を認める傾向にあったが、05年厚生労働省の調べ(※)では、約半数(50.4%)が大企業を中心に正社員の副業を禁止するほか、「許可を必要とし、許可の基準はない」(26.2%)「届出を必要とし、特に届出内容を限定しない」(3.7%)など、取り扱いも様々のようだ。
※<労働政策研究・研修機構「雇用者の副業に関する調査結果2005年」より>
2、本業がおろそかになるなんて本末転倒!
副業に向く仕事、向かない仕事を知ろう
どんなにやりたい仕事でも、本業に支障をきたすものは絶対に避けたい。「きちんと時間通りに終わり、時間管理がしやすい」「空いた時間にまとまってできる」…副業として続けられる仕事とそうでない仕事の違いには様々な理由があるけれど、すべての基本は「業務が毎日発生することなく、計画的に取り組める仕事であること」だ。また、体力面で無理のないよう、仕事のシフトを感がることも大切。体力面以外に、精神的負担の大きい仕事も副業には不向き。最近副業としても需要の高いコールセンターの仕事も、クレーム対応など気持ちの負担が大きいものは避けたほうが無難。精神面で不安定になってしまったら、本業も副業も共倒れになってしまうからだ。
そして絶対に避けたいのが、事前にまとまった資金が必要だったり、失敗したときに生活に支障が出るような大金を伴うもの。本格的に取り組まないとできないことはやらない。あくまで副業であることを、肝に銘じておくことが大切だ。
ひと目で分かる仕事リスト
○ 副業に向いている仕事
● 講師
週1、2日の実働でOK
● ネットオークション
自宅でちょっとした空き時間を有効に使える
● レジャー施設などの販売
長期休暇中、年末年始などにまとめてできる
● コールセンター、受付
シフト勤務が可能
● データ入力
マニュアル化で対処できる
× 副業に不向きな仕事
● 商品代行・請負
業務が、予測できず突如発生する
● 本業と同業の仕事
本業に不利益を与える可能性も高い
● 実店舗の開業・運営
多額の開業資金や仕入れ代金を要する
● 電話によるクレーム受け付け
精神的にとても疲れる
● マネジメント業務
打ち合せや接客など、細かい手間がかかる
3、スキルアップ、人との出会い…
収入以外のメリットを実感しよう
副業は収入補てんのためにするのが基本。特に派遣会社に登録して探す場合、スキルに応じて仕事を紹介されるので、まったく経験のない業務は難しい。
収入面で満足を得ることは副業を継続していく出発点になる。しかし実際、経験者に副業のメリットについて尋ねると、「本業でイライラしているときに、副業自体が気分転換になって、逆に本業に打ち込めた」(32歳・通信・事務)といった本業との相乗効果を実感するなど、収入以外のメリットを実感した人も多い。積極的にそのメリットを得ようとする姿勢が、豊かな副業生活を送る秘訣といえるだろう。
4、詐欺まがいのあっせん業者、違法行為…
副業にまつわるトラブル対策
副業にまつわるマルチまがい、詐欺行為は依然として多い。「知識や手間のいらない副業」「〜をするだけで高額な副収入が手に入る」など、甘い宣伝文句で詐欺まがいの副業あっせんを行なう業者のほか、さらにセールスレターで商品を売りつけるなど「消費者契約法」に反する違法販売や、ネットオークションのID・パスワードの不正販売など被害も近年多発している。副業を行なう際には、信頼のおけるサイトを利用するなど注意したい。
また、ネット副業の際など知らぬ間に違法行為をしている危険性も増えている。ドロップシッピング(以下DS)などで商材が飛躍的に広がる中、トラブルを未然に防ぐためにまず知っておきたいのが「特定商取引法」に定められた表示義務。DSの場合、DSサービス会社の連絡先を明記し、その他写真流用など著作権、肖像権の侵害行為をしないよう注意して。中古CDなどを扱う際に必要な古物商免許など、許認可が必要なものもある。
5、副収入の“得する”確定申告
税申告は“副業所得20万円”がポイント!
確定申告をしたことがないから不安――副業を始める人の多くが抱える悩みだが、一度ツボを押さえると、あとは毎年同じ繰り返し。最小限のことだけはマスターしてしまおう。「会社から給与をもらっている人は、勤務先で年末調整をしてくれるので自分で申告は不要。ただしこれ以外に所得(副収入)がある人は申告が必要です」と税理士の宝田健太郎さん。副収入がある人は、その収入が「給与(給与所得)」か「報酬(雑所得)」のどちらかを確認して。これによって経費の計算方法が変わってくる(左表参照)。副業所得が少額(20万円以下)なら申告義務が免除されるが、「20万円以下でも申告することで税金が戻るケースがあります」(宝田さん)。「雑所得」では収入から経費を差し引くことで、源泉徴収されている税金(概ね支払額の10%)が戻るケースがある。「給与所得」の場合、サブの給与は年末調整が行なわれず、多めに源泉徴収がされており、メインの給与とあわせて申告をすることで還付となるケースが多い。また会社に副業がわかってしまわないためのポイントなど。
副収入のどんな所得か見極めを!

「所得」とは収入から交通費などの「必要経費」を差し引いた額。まずは自分の副収入が主に「給与所得」か「雑所得」かをチェック。雑所得の場合、交通費や原稿を書く際の書籍購入費などを経費として所得から差し引くことができ、20万円以下の副収入であっても確定申告で税金が戻ることもある。またネット副業の場合「パソコン等の費用も経費になるが、すべて副業だけに使用しているわけではない。土日だけの副業なら関連費用の2/7を経費にする、などの計算が必要」(宝田さん)。領収書を税務署に提出する必要はないが、保存義務があるので大切に保管しよう。
税理士
宝田・寿原会計事務所代表。税務コンサルティング等を行う。近著『節税はこうしてやりなさい(新版)』(ダイヤモンド社)
日経ウーマン 2008年2月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります




