4カ所の筋肉がカギに 日常生活の中で鍛えよう
少しくらい食べすぎても太りにくい体を作るには? 東京大学大学院教授の石井直方さんは、「筋肉の量をキープすれば、基礎代謝が上がり、普段の生活でも脂肪が燃えやすくなる」と話す。「筋肉の量は、30歳を過ぎると年に1%ずつ減っていく。基礎代謝も、20歳前をピークに50歳までの30年間で約15%減少。1日当たりご飯約1杯分のエネルギーを消費しきれなくなる計算です。こうして余分なエネルギーが蓄積されると、少しずつ肥満が進みます」
それを防ぐには、代謝を上げてエネルギー消費量を増やす習慣を、日常生活で取り入れることがポイント。ジムに通うなど特別なことをしなくても、例えば、通勤時にエスカレーターではなく階段を使う、デスクワーク時に背筋を伸ばして座る、などのちょっとした工夫で、「代謝アップに大きく影響するおなか、背中、ヒップ、太ももの4カ所の筋肉を鍛えることができます」。
大切なのは、短期間で体を完全に変えようと焦らないこと。例えば、より早く結果を出そうと朝のジョギングにチャレンジしても、「疲れて結局続かなくなる可能性も。朝は3分間程度の簡単な筋トレをして、代謝のスタートを早めるだけでもOKです。肥満が少しずつ進行するように、やせるときも、長期間かけて少しずつエネルギー消費量を上げていけば、結果的に脂肪がつきにくい体を作ることができます」。3カ月程度の余裕を持って、焦らず確実に、体質改善していこう。

1.エスカレーターではなく階段を使って通勤
太りにくい体を作るには、筋肉の量をキープし、基礎代謝の低下を防ぐことがポイント。「衰えやすいのは主に、太もも、おしり、背中、おなかの4カ所。ここさえ鍛えれば、代謝は落ちにくくなる。特に太ももやおしりを動かすには、通勤・退勤時にエスカレーターなどを使わず、階段を上り下りするのが最も手軽で効果的」(石井さん、以下同)
2.胸を張り、背筋を伸ばし、大股で歩く
通勤中や仕事中は、胸を張って背筋を伸ばし、大股で歩くことを心がけて。「胸を張るだけでも、おなかの筋肉(腹横筋)が動くのが分かるはず。上半身を安定させシャキシャキと歩くことで、おなかや背中、おしりの筋肉が鍛えられる。おへそを引っ込めながら歩くと、なお腹筋が鍛えられて効果的。頭が左右に揺れる歩き方はNGです」
3.デスクワーク時も姿勢良く座る
背中を丸めて髙杖をついて座っていては、おなかや背中の筋肉も緩んだまま。「デスクワーク時にも背筋を伸ばし、骨盤を立てるように姿勢良く座って。背筋を伸ばす脊柱起立筋のほか、腹横筋、腹直筋や骨盤回りの筋肉が使われるので、背中を丸めて座っているときよりもエネルギー消費量が格段に高まります」
4.朝、3分間だけ簡単な筋トレをする
「一日を通してエネルギー消費量を増やすには、朝起きた後、なるべく早く体を目覚めさせ、代謝のスタートを早めること。できれば、顔を洗って歯を磨いた後など、ちょっとした時間に筋トレをやるといい。スクワット5回を2セットなど、3分くらいでOK。脂肪分解のスイッチがオンになり、通勤中や仕事中も脂肪の分解が進みやすくなります」
5.食事もきちんと取ってカラダを合成モードに
上手に運動しながら食事にも気を使うのが賢いダイエット。食事を抜くと、脂肪と一緒に筋肉量や骨量まで落ちるため、少し食べただけでも太りやすい体に。きちんと食べ、筋肉をキープしよう。「食事誘発性代謝といって、食べるだけでも熱が生産され代謝は上がる。一度にたくさん食べるより何回かに分けたほうが脂肪は燃えやすい」




