チャンスをつかんだ主人公を真似てみる

2010年1月29日

ャンスの芽は意外と地味なものだと、映画は教えてくれる。

 シンデレラストーリーの代表格『マイ・フェア・レディ』。「オードリー・ヘップバーン扮する花売り娘イライザがチャンスをつかめたのは、人の話にきちんと耳を傾けたからなんです。口の悪いヒギンズ博士の言うことに、腹を立てたり、反発したりしながらも、一生懸命取り組んだ結果、レディになれた。自分と価値観の違う人から何かを言われたとき、『自分の考えとは違う』と跳ね除けてしまうと、チャンスをつかみ損ねます。人の話に耳を傾け、取り入れてみる姿勢は、とても大事」とコラムニストの石原壮一郎さん。

 仕事の中の「あれ? ちょっとおかしいかも」という小さな気付きにも、チャンスの芽は潜んでいる。『エリン・ブロコビッチ』は、書類整理中に不審なファイルを見付けたのをきっかけに、大訴訟を起こした実話。エリンは不正を暴いたが、小さな「あれ?」に、ビジネスチャンスがあることは意外と多い。

 「例えば見積書作りの中にだって、『あれ?』と感じることはあるものです。それをメモしておき、ときには調べてみると、経費削減案や新たなニーズが見付かることが少なくありません。ただし、就業時間外に取り組んで、温めてくことが肝心。しばらくたってから花開くことも結構あるものです」と秋山さんは話す。

 自分に合った着地点を知ることも大切だ。『恋ノチカラ』は大手広告会社のクリエイティブ部から左遷された藤子が、自分の居場所を見いだす物語。「チャンスとは、かっこよくてキラキラしたものと思いがち。けれど、人から必要とされて自分を生かせるなら、地味に思えてもそこが自分の一番輝ける場だと気付くことも大切」と橋中さん。

 ほかにも、チャンスはピンチとセットになってやってくると教えてくれる『8Mile』、自分を生かせる場所について考えさせるバレエ映画『センターステージ』、めげない、諦めない大切さが胸に響く『コヨーテ・アグリー』、大好きな先輩と一緒のステージに立つために自立の努力を重ねた『のだめカンタービレ』もおすすめだ。キャリアウーマン映画の代表格の『ワーキング・ガール』の主人公テスは、上司をポン引き呼ばわりしたり、仕事関係者と恋愛したりと仕事をするうえでの禁を結構犯している。「これをやったら、さすがにまずい」という視点で見てみるのも面白い。

 「チャンスをつかむ人の共通点は、(1)プロに徹している、(2)目の前の仕事に一生懸命、(3)失敗しても諦めない、(4)いつも明るいの4つです」と秋山さん。

 確かに、チャンスをつかむ主人公は、みんな明るく、どんなときでも前向きだ。まずは、そんな姿勢を真似することから始めてみよう。

秋山さんおすすめ

◆エリン・ブロコビッチ
コレクターズ・エディション
00年/米/ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/1980円/発売中

◆ワーキング・ガール
88年/米/メラニー・グリフィス、シガニー・ウィーバー

◆8 Mile
02年/米/エミネム、キム・ベイシンガー
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン/1800円/発売中

◆センターステージ
00年/米/アマンダ・シュール、ピーター・ギャラガー
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/1480円/発売中

◆コヨーテ・アグリー
特別編集版
00年/米/パイパー・ペラーボ、アダム・ガルシア
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント/1500円/発売中

石原さんおすすめ

◆マイ・フェア・レディ
スペシャル・エディションDVD2枚組
64年/米/オードリー・ヘップバーン、スタンレー・ハロウェイ
ワーナー・ホーム・ビデオ/3129円/発売中

橋中さんおすすめ

恋ノチカラ
DVD-BOX
02年/日本/深津絵里、堤真一、矢田亜希子
発売元:フジテレビ映像企画部
販売元:アミューズソフトエンタテインメント/2万160円/発売中

◆のだめカンタービレ
DVD-BOX
06年/日本/上野樹里、玉木宏
発売元:フジテレビ映像企画部
販売元:アミューズソフトエンタテインメント/2万3940円/発売中

Profile
日本GE
GEコーポレート 戦略・事業開発本部長

秋山ゆかりさん
ボストン・コンサルティング・グループなどを経て現職。年間に観る映画や ドラマが240本を超える大のエンタメフリーク。著書に「ミリオネーゼの仕事術 【入門】」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

コラムニスト
石原壮一郎さん
大人力をキーワードに、ビジネスから恋愛まで幅広く活動するコラムニスト。著書に『L25女子力検定 おシゴトのさじかげん』(メディアファクトリー)『30女という病――アエラを読んでしまう私の悲劇』(講談社)など多数

編集者
橋中佐和さん
日本IBM、出版社を経て、現在、企画会社タクト・プランニング取締役。食や生き方をテーマにした単行本の編集等に携わる。ドラマウォッチャーでもあり、ブログ『TVドラマあらすじチェック』が人気

取材・文/中村陽子

日経ウーマン2009年3月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

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