「強い信念を貫く」が、人の心をつかむキーワード。
笑いこそが人に元気を与えて病を癒やすという信念のもと、15万人を超える患者を無料診療した実在の医師がモデルの『パッチ・アダムス』。パッチの信念が、最初から人を惹き付けたわけではない。その信念ゆえに誤解もされるし、壁にもぶつかる。医学部の同級生に変人扱いされたり、権力者に要注意人物だと排除されそうになったりしながらも、いつも明るく、笑いによる診療を実践し続けた。患者の今、この瞬間を幸せにすることこそ、患者を癒やすのだというパッチの熱い思いは、患者だけでなく、周囲の医師の心にも届き、彼らをも変えていった。
「私は、信念を持っていない」という人に希望と勇気を与えてくれるのが、オリビア・ハッセー主演の『マザー・テレサ』と、ドキュメンタリー映画『マザー・テレサ〜母なるひとの言葉〜』。「誰もが名前を知っているような偉大な人物でさえ、『これが私のやるべきこと』と思い定めるまでは、思い悩んだり、葛藤したりしています。今は何もなかったとしても、ちゃんと生きることによって信念は見つかるのだと、信じる力を与えてくれる映画です」と秋山さん。
ドラマ『斉藤さん』の主人公全子(まさこ)も、スケールは違えど信念の人だ。曲がったことが大嫌いで、相手が誰であろうと「駄目なものは駄目」ときっぱり言い切るキャラクター。初めは多くの人が彼女を疎ましがるが、人からどう思われようとも一切ブレることはない。そのブレのなさゆえに、「彼女の言っていることは、間違ってない」と次第に人々の支持を勝ち取っていく。
「人によく思われたいとは全く思っていない全子を見ていると、ブレないことが、人の心をつかむうえでの近道なのかもしれないと思えてきます」(橋中さん)
人を肩書や身分で見ることなく、生身の人間同士として触れ合うことが大切だと教えてくれるのが『男はつらいよ』シリーズだ。「寅さんは、困ったバカな男だけど、行く先々でいろいろな人と仲良くなります。たまたまベンチに座っていたおじいさんが世界的な芸術家だったりするところは映画のお約束だけど、一切の下心なく人と触れ合う寅さんの姿勢には、学ぶべきものがたくさんありそうです」と石原さん。
もっとカジュアルに「友達を増やしたい」と思っているなら、『セックス・アンド・ザ・シティ』のノリの軽さを真似したい。「バーで会った人に、すぐ名刺を渡してしまう彼女たちの軽さを自分流にアレンジして、気になる人と出会ったら『今度ランチでもいかが』とメールで誘ってみるなど、小さなアクションを起こしてみては」と秋山さん。
自分らしく人と接しながら、人の輪を広げていこう。
◆パッチ・アダムス
ユニバーサルコレクション
キャンペーン2009第2弾
98年/米/ロビン・ウィリアムズ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン/1500円/発売中
◆マザー・テレサ
デラックス版
03年/伊、英/オリビア・ハッセー、ラウラ・モランテ
発売元:ショウゲート
販売元:ジェネオン エンタテインメント/3990円/発売中
◆マザー・テレサ〜母なるひとの言葉〜
04年/米/マザー・テレサ
発売元:プレシディオ
販売元:ジェネオン エンタテインメント/3990円/発売中
◆セックス・アンド・ザ・シティ
シーズン1
98年/米/サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル
パラマウント ジャパン/4935円/発売中
◆男はつらいよシリーズ
日本/渥美清、倍賞千恵子
第1作『男はつらいよ』HDリマスター版
松竹映像商品部/3990円/発売中
◆斉藤さん
DVD-BOX
08年/日本/観月ありさ、ミムラ、佐々木蔵之介
バップ/1万9110円/発売中

GEコーポレート 戦略・事業開発本部長
秋山ゆかりさん
ボストン・コンサルティング・グループなどを経て現職。年間に観る映画や ドラマが240本を超える大のエンタメフリーク。著書に「ミリオネーゼの仕事術 【入門】」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
石原壮一郎さん
大人力をキーワードに、ビジネスから恋愛まで幅広く活動するコラムニスト。著書に『L25女子力検定 おシゴトのさじかげん』(メディアファクトリー)『30女という病――アエラを読んでしまう私の悲劇』(講談社)など多数
橋中佐和さん
日本IBM、出版社を経て、現在、企画会社タクト・プランニング取締役。食や生き方をテーマにした単行本の編集等に携わる。ドラマウォッチャーでもあり、ブログ『TVドラマあらすじチェック』が人気
日経ウーマン 2009年3月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります




