手帳があるからこそ人生設計ができる
外食事業の枠を超え、介護、農業、環境の各分野で成長を続けるワタミグループ社長の渡邉美樹さんは、「夢を実現できたのはすべて手帳のおかげ」と言い切る。「私にとって手帳は人生の設計図。設計図なしで家が建たないのと同じで、手帳がないと人生が成り立たない」
渡邉式手帳術で最も重要なのが、手帳のポケットに入れていつも持ち歩く“夢カード”(1)だ。「夢や目標を掲げたら、カードに書くのが一番のポイント」と渡邉さん。移動中でもどこでも、日に何度もカードを取り出し、自分の夢を強くイメージするという。「イメージが潜在意識に入り込むことで夢は実現する。白黒のイメージじゃだめ。鮮明なカラーのビジュアルでイメージすることが大切なんです」
夢カードに欠かせないのが「日付」の記入。渡邉さんは22歳で「24歳で社長になる」と宣言、見事に実現した。東証1部上場も、学校経営開始も、宣言した日付通り現実化されている。「“人生は有限”だということを、私は10歳のときに亡くなった母から教わりました。人間いつ人生が終わってしまうか分からないからこそ、一秒たりとも無駄にしたくないんです」
こうして描いた夢を現実の計画に落とし込むツールが「手帳」だ。無駄がないよう、自分で予定を立て、用件が終わったら必ず赤鉛筆で消すのが渡邉式スケジュール管理の極意。「ぐわっと力を入れて赤で塗ると、気合が入るんですよ。達成感が味わえるのがうれしい(笑)」
就寝前の15分は、日記を書きながらその日をリセットする時間に充てる。「反省をし、計画を修正する。極端な話、夢の最終目的はかなえることではありません。夢を追いかけることで困難を乗り越え、人間的に成長できる。そのプロセスにこそ、重点が置かれるべきなのです」
夢が見つからないとモヤモヤしている読者には、「まずは身近な夢について考えてみればいい」と渡邉さんは言う。
「例えば『あのバッグが欲しい!』と思うなら、それを持つ自分をイメージし、毎月貯金してみる。最初は物欲のような夢でも、成功体験が続くにつれ、徐々に大きな夢が描けるようになるものなんです」
自身も若い頃には「車を買うという目標を手帳に書いていたこともありましたよ」と笑う渡邉さん。今、掲げるのは「100年後に地球上で一番たくさんの『ありがとう』を集めるグループになりたい」という夢だ。
「この地球のどれだけ多くの人の幸せにかかわれるか?というところに私の関心はある。夢は進化し続けます。その夢を追い続けるのに手帳と夢カードは欠かせない存在ですね」
日経ウーマン 2008年12月号
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