こんにちは。Before 9(ビフォア・ナイン)プロジェクト主宰/CONECTA代表、池田千恵です。
「ひとり力の作り方」で提唱する「ひとり力」とは、「自分の頭と心を定期的に棚卸し、客観的に見つめて軌道修正していく力」のこと。独身、既婚、家族と同居、ひとり暮らし、子育て中…。どんな状況にあっても精神的、物理的に「ひとり」の時間を作ることはできます。「ひとり力」をつけることで、ほっとしたり、リフレッシュしたり、リラックスしたり、将来のことを楽しく想像したり、今までの振り返りをしたりできるようになれば、慌ただしい毎日も、心穏やかに過ごせるようになります。本来のあなたを、あなた自身の手に取り戻すひとつの手段が「ひとり力」をつけることです。
第22回の今回は、望まない夜更かしを防ぐためにできることをお伝えします。
「夜更かし」には2種類ある?
私は、夜更かしには2種類あると思っています。望む夜更かしと、望まない夜更かしです。

前者は、例えば休日前の夜、「わー! 明日は休みだ!」と思ってのんびり好きなことだけする夜更かしや、気が置けない仲間たちと朝まで飲んじゃえ! とわいわい騒ぐような夜更かしです。開放感があって、本当に楽しいですよね。
一方、後者は、仕事が終わらない、残業が多すぎる、夜の断れない付き合いが多い、1日にカタをつけないと気が済まない、などの理由で、本当はしなくないのにしてしまう夜更かしです。
「ひとり時間がなかなかとれない」と悩む場合の多くは、このような「望まない夜更かし」がネックとなっているのではないでしょうか。
では、どうすれば「望まない夜更かし」を減らせるのでしょうか。今回は「望まない夜更かし」に悩み、克服した女性、Mさんの話を紹介しましょう。
意志をもって「先送り」する勇気を持つ
Mさんは昔から仕事が大好きでした。気付くと寝ないでずっと仕事をし続けてしまうので、気付けば睡眠障害になってしまい、睡眠薬が手放せない生活を何年も送っていました。薬漬けの自分から卒業しようと一念発起、会社を休み、半年精神病院に入院して薬断ちをしたそうです。
半年後、無事退院できたのですが、薬漬けの生活を手放したのと同時に、仕事への情熱も、やる気も手放してしまいました。それから半年間、何も手につかず、生き方まで手放しかけたとき、書店で見つけた朝活関連の書籍をきっかけに、今までの生活を一変しようと早起き生活をスタートさせたそうです。
早起きを初める前は、1日1日、仕事が終わるまで寝てはいけない、とことんやりきっていない私はダメだ、と自分を縛っていたせいで、睡眠不足や生活の乱れを繰り返していたといいます。
でも、早起きを習慣にするためには、当然ですが早く寝る必要があります。そこで、第19回でも紹介した「戦略的先送り」の要領で、仕事が仮に終わらなくても割り切って寝てしまい、仕事を朝に残すことを許すようにしました。やりきっていなくても朝に回せばいいや、と割り切り、睡眠を優先するようにしたのです。
その結果いったん頭がリセットされて生産性が向上、心身ともに健やかになっていくことを実感したそうです。今でも仕事の性質上、不規則な生活は続いていますが、朝活手帳で自分の体のペースをつかめたため、夜型の仕事があっても次の日にはきちんと朝型にもどれる自信がついたとのことでした。
Mさんは、経費計算や伝票整理、売上げ確認といったような、夜の疲れた頭で作業するとミスしてしまいそうなことを朝に持っていくそうです。確かに、取りかかればすぐに終わってしまうのに、なんとなく後まわしにしているようなことはたくさんありますよね。聞いたところによると、2時間残業して行っていたメールチェックや報告書などの作成を朝に回したところ半分ほどの時間で終わった例もあるとのこと。朝からクリアな頭でサッサと終わらせれば、朝の作業に勢いづけることもできそうです。