資格に興味があるけれど、取得までにかかる時間やお金が、どれだけ仕事や収入につながるのか分からない…。

日経ウーマンオンライン読者の悩みに答えるべく、有資格者の皆さんに「本当のところ」を聞きました。

前回に続き、社会保険労務士の漆原香奈恵さんにご登場いただきます。

■今から15年以上も前に読んだ雑誌の情報が、開業後に一番役立つことに

社会保険労務士
漆原香奈恵さん
かなえ社会保険労務士事務所を開業し、今年6月で5周年です。人事・労務の面から女性起業家・経営者を主に支援しています。障害年金の業務にも力を入れています。プライベートでは30代半ばの2児の母です。

 前回の続きです。今回は単なる有資格者から、実際に開業社会保険労務士となり、仕事を続けてきた経緯と、振り返ると思い当たるステージごとの転機をお話いたします。

 資格取得を決意して情報収集のために読んだ資格情報誌にこう載っていました。「士業で独立開業するのならWEBのスキルがあると事務所経営を軌道にのせやすい」この記事に影響されプライベートでは資格試験の勉強、仕事ではPC・WEBのスキルアップができるように計画を組みました。勤務先で人事・総務部門のHP更新業務を担当したり、ハローワークの職業訓練校を活用してWEBマスター講座を修了したことから、開業後に自分で事務所HPを作成することができました。そのため開業当初からブログやHPを通じたお問合せがありました。

 結婚相手が2代目になる会社経営者だったこともあり、開業することへの抵抗が和らぎ、自然と独立することが身近に感じられるようになりました。そして出産を機に仕事も続けたいけれど子どものために時間を使いたい、と考えるようになりました。育児と仕事を両立しながら子どもが小さいころは「細く」、年をとっても「長く」仕事を続けるために、独立開業という決断をしました。幸い開業費用に大きな設備投資は必要なく、全国社会保険労務士会連合会への登録費用、年会費、損害賠償保険、事務機器・用品等合わせて、50万円程度で済みました。

■ランチの時間を活用して繋がりを0から1へ!

 女性士業が集まる会や起業家女子ランチ会への参加が起業家としての交流の始まりでした。小さな子どもがいるため夜や週末は交流会に参加はできない。でも平日昼間に開催される交流会はごくわずか。そこでママ士業というコミュニティを自ら発起し、ママ社労士の集まりを発足しました。ここでの出会いがきっかけとなりイベント交流会やセミナー、勉強会などを企画運営するうちに「士業WOMAN」(女性社労士障害年金チーム)や、「よこはマリン」(横浜の女性起業家支援チーム)という任意団体を結成することになり、現在仲間と一緒にゆるやかに運営しています。

 他にも限られた出会いから沢山のご縁があり全て今に繋がっていると感じています。少ない繋がりでも尊敬できる方々との交流は事業継続へのモチベーションアップに繋がり、固定観念に縛られない視野を広げてくれました。また1人ではできないような企画を実現することもできました。