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「ナルシスト」と「自分が好き」の違い

2014年12月15日

セルフ・エスティームは心の免疫機能

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 今回がこの連載の最終回ですから、自分を愛することについて書きたいと思います。

 Self-esteem(セルフ・エスティーム)という言葉があります。日本語にするのが、なかなか難しい言葉です。なぜなら、辞書に掲載されているセルフ・エスティームの和訳は、「自尊心」や「自己愛」という、傲慢さやナルシスト的な、どちらかというとネガティブな意味合いが込められている日本語だからです。

 英語のセルフ・エスティームには、ネガティブな意味合いは一切ないんです。新しい日本語が必要ですね。

 日本語に、ネガティブな意味合いを持たない自尊心や自己愛にあたる言葉がないのは、日本に個人の感情や存在を尊重する文化的背景が、今までなかったからなのでしょうね。個人の命よりも「お国のため」、個人の尊厳よりも「組織のため」、個人の都合よりも「家族のため」、個人の名誉よりも「チームの和」、そうした個人よりも集団を貴ぶ文化にとっては、「自尊心」や「自己愛」は、集団の求心力を損ねる危険要素でしかありません。「自尊心」や「自己愛」が、たとえ個人の精神的な健康にとって大切であったとしても、個人よりも集団が尊重される社会にとっては、集団の不都合となるような概念や物事に、ネガティブなニュアンスが含められていても不思議ではありません。

 他にも、「プライバシー」にあたる日本語もありません。狭い居住環境で、隔てるものは、障子や襖など、防音とは無縁の環境で、文化を育んできた日本には「プライバシー」は存在しませんでしたから、存在しないものを言い表す言葉が生まれなかったとしても不思議はありませんよね。

 でも、現代を生きる私達の住む世界は、物理的にも精神的にも、時代と共に拡張しています。明治時代に追加的に創られた日本語だけでは、もうずっと前から、変化する私達日本人の精神文化を表現するには、足りなくなっています。

 しかも、うつ病が国民病になりつつある現代、日本人にとって、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)の概念は必須です。セルフ・エスティームは、心の免疫機能として働きます。日常的に起こる拒絶や否定や批判から、心を守る機能です。セルフ・エスティームが低いと、うつ病になりやすく、摂食障害を起こしやすく、ストーカーやDV、虐待を含め、人間関係を破たんし易くなります。

 私達は、虚栄心や見栄とは無関係に、傲慢になる必要もナルシストになることもなく、自己愛を持つことができます。自己の存在に対して尊敬の念をもつことや、自己実現をしたり、自分自身や自分の人生のための喜びを選択することができるのです。

 もちろん、セルフ・エスティームが単に高ければ、良いわけでもありません。セルフ・エスティームが高くても、他者に対する愛しみの感情が低ければ、ナルシスト的な行動となって現れます。まさしく日本語の「自己愛」です。そうした人は、自分の非を認めず、他者を責めることを選択します。自分の行動が招いた結果を受けいれることができないため、同じ過ちを繰り返す傾向にあります。

 また、傲慢な態度をとったり、他者をあからさまに批判したり、他者を見下す態度をとる人を日本語では「自尊心が高い人」と言ったりしますが、セルフ・エスティーム(真の自己愛/自尊心)の度合いから見ると、実はそうした態度は、セルフ・エスティームが低い人の特徴なんです。自分に自信がなく、自分を心から愛し受け入れることができないため、他者を受け入れ愛することもできない人の特徴です。

 そして、他者への愛しみの心はもっているものの、セルフ・エスティームが低い人は、他者からの称賛の言葉や誉め言葉を居心地悪く感じます。誉め言葉は、低い自己イメージに反するため、素直に受け止めることができません。「嫌味なのではないか」、「見返りが欲しくておだてているだけなのではないか」と感じます。そのため、自分を高く評価し誉めてくれる人を避け、自分を無視したり、冷たく接する人を好みます。ダメ男との恋愛を繰り返してしまう女性や「こじらせ女子」に多い特徴です。

 『Emotional First Aid(心の応急処置)』の筆者である心理学者のガイ・ウィンチ博士によれば、「高いセルフ・エスティームに裏打ちされた真の自尊心」と、「他者への配慮のないセルフ・エスティーム(ナルシスト)」や「低いセルフ・エスティームの裏返しである偽の自尊心(傲慢さ)」の違いは、他者に対する行動が、好意的か敵意的かで見分けることができると言います。高い地位にある人でも、その地位を努力と周囲からの称賛によって獲得した人か、攻撃的な方法で奪い取った人かで見分けられると言います。

 そこで、今、あなたが感じている自己愛(自分のことが好きという気持ち)と自尊心(自分を大切に思う気持ち)が、本物なのか偽物なのかを見分ける方法をいくつかご紹介します。

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Profile
森智世
森智世(もりちせ)
米国代替医療協会(AADP) 公認ホリスティック・ヘルスコーチ
国際ヘルスコーチ協会 登録ヘルスコーチ、経営学修士(MBA)、女子栄養大学食生活指導士、厚生労働省スマートライフ・プロジェクトメンバー、目黒区男女平等・共同参画審議会委員。大手證券会社投資銀行、金融経済研究所、世界4大総合プロフェッショナルファームのディレクターとして企業戦略・財務、買収に携わり、書籍出版、大学講師、政府協議会委員等を経て、家族の健康問題を機に、NYCの世界最大ホリスティック栄養学専門学校にてホリスティック・ヘルスコーチ資格取得。海外生活は米国、ドイツ、エストニア共和国にて15年以上に及ぶ。現在は東京。趣味はフルート演奏、料理とヨガ。初回コンサルテーション(初回診断)を無料でご提供しています。またフェイスブックでフォローアップ情報を提供しています。
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