暦の上では秋……と言えども、まだ日差しは眩しいです。かと思えば、涼しすぎる日もあります。日々「今日は夏服と秋服どちらを着るべきか」を悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 昼間と夜の気温差も大きくなるので、昼間暑いからと薄手の服で出かけて、気温が急激に下がって寒い思いをしたり、秋を先取りした服を着て、汗だくになったりするのも悲しい。

 こんなことで悩むのは、季節の変わり目がはっきりしないということと、ファッションの多様化も関係あるのでしょう。

 学生時代なら、制服オンリーだから別に考えなくともよかった。でも今は何を着ても自由、つまり何を着るのも自分次第。出来たらその場にふさわしいものでありたいし、着心地のよさも妥協できない。

 そう、自由には悩みがつきものです。

 選択の自由に悩むあなたに、ぜひ読んでいただきたい本を二冊ご用意しました。

 橋本治著『結婚』(集英社)。

 恋愛、結婚について書かれた本は多いですが、本書は結婚をテーマにした小説として、かなり鋭く本質に迫っています。

 「卵子老化」の本を読んで、結婚を意識し始めた倫子・28歳。しかしこれという相手はいない。

 3歳上の兄の妻は30歳になる前に結婚したけど、28歳の自分の結婚はうまく思い描けない。同僚の花蓮が結婚を決める中、周囲のカップル達がどうして結婚したのか、結婚したかったのかを倫子は考えます。

 現代は医療の発達もあって高齢出産が珍しくなくなりました。それでも女性には「卵子」というリミットが歴然としてあります。

 体は自然に逆らえません。だけど結婚は自然にできるものではない。男と女が一定期間お付き合いして、結婚という制度を通してあたらしい家族を作るもの。ましてや子どもは(できちゃった結婚でなければ)結婚してから、ある程度計画的に作るカップルも多いです。

 思うのですが、結婚した人も、結婚していない人も、どちらも自分の選択をすべて満足してはいないだろうし、ふと「今とは違う人生」を想像したりすることはあるのではないでしょうか。

 わたしが子どもだったころ、女性は25歳までに結婚するのが主流で、それをすぎると「売れ残りのクリスマスケーキ」(26日(歳)以降は売れ残り)と言われていました。しかし現在の女性の平均初婚年齢は30歳を行ったり来たり。生涯未婚者も増えています。

 わたしたちには結婚をしても、しなくてもいい自由があるのに、世間では結婚すると「おめでとう」「お幸せに」と言われるように、結婚するのは良い事、というプレッシャーはなくならないでしょう。

 倫子とともに結婚について考えると、今の自分が見えてくるように思います。