終身雇用制度が崩れ始め、誰もが「自分らしい働き方」を模索する時代がやってきました。私たちの働き方はこれからどのように変わっていくのでしょうか? 毎回、ゲストを迎えながら、現代日本を生きる働く女性の未来を考えます。今回は、経済産業政策局・経済社会政策室長の坂本里和さんに、これからの女性の働き方について教えていただきました。

●この人にお話を聞きました
経済産業省
経済産業政策局 経済社会政策室長
「ダイバーシティ経営企業100選」「なでしこ銘柄」担当
坂本里和さん


さかもと・りわ/1972年生まれ。東京大学法学部卒業後の95年に当時の通商産業省へ入省。98年~2000年にかけてアメリカの法科大学院へ留学。2011年から現部署。女性がワークライフバランスを取りつつ、生き生きと活躍できる環境づくりのため、女性の活躍を推進する企業を後押ししている。監修した書籍『ホワイト企業 女性が本当に安心して働ける会社』(文藝春秋)が話題に。私生活では4女の母。

 今、働き方のありようが変わってきています。これまでのような「新卒で入社した会社に定年まで勤める」といったモデルは、どんどん変化していくことでしょう。もちろん終身雇用がなくなるわけではありませんが、欧米のように転職しながらキャリアアップするような形や、会社勤めを経ての起業、クラウドソーシングのように個人事業主として働くなど、よりキャリアが多様化していくのではないかと感じています。

 そうなってくると自律的なキャリア形成が求められます。自律的にキャリア形成をするということは、ある程度、自分で考え自分でキャリアを組み立てて成果を出していくことが求められます。言われたことをやっていれば自然と給与やポジションが上がっていくというわけではありません。個人が考えなくてはいけない部分が増えるのです。「自分の強みは何だろう?」「自分は何をしたいのだろう?」――そういった視点を持ちながら目の前の仕事に取り組む姿勢が大切です。そのような視点を持つと、まったく同じ与えられた仕事であっても、より成長していける気がします。

 20代、30代のうちは食わず嫌いはせずに何でもトライしてみる姿勢も大事ではないでしょうか。そうすると、40代に入るあたりまでに自分の専門性が自然と見えてくるかもしれません。「私は管理職としてステップアップしよう」とか、「この分野を自分の専門にしよう」といったことです。こうした自分の意志を上手に周囲に伝えていくことも重要ですね。

 当初は「地味でつまらない」と感じた仕事であっても、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいると気づいたときには自分の知見が増えたり、自信がついたりということはよくあります。それが次のチャンスを得ることにつながっていくのだと思っています。