「お願い」する時はクッション言葉+伺う形で心配りを添える

 「依頼表現」は、伺いを立てる言い方にすると角が立たない。「人に何かをお願いするということは、それがわずかな時間でも相手に手間ひまをかけさせることになります。そのため『お手数をおかけしますが』という気持ちを込めた表現を付け加えることが大切です」と井上さん。

 例えば取引先に行く上司に、書類の受け渡しを頼みたい場合、「これ、渡しておいてください」では尊大な言い方。「渡していただけますか」「お渡しいただけるとありがたいのですが」といった伺う形にすると、失礼にならない。

 また、「恐れ入りますが」などのクッション言葉を覚えておくと便利だ。「ご面倒をおかけしますが、お渡しいただけますか」と一言添えるだけで、相手の都合も考えた上で依頼していることが伝わり、表現がぐっとソフトになる。同じ言葉を繰り返さずにすむよう、複数覚えておくとスマート。

 婉曲にものを言うには「相手のせいではない」ことを、暗に含ませる方法もある。電話口で相手の声が聞き取れない場合「お電話が遠いようなのですが」という言い方が定番だが、「周りが騒がしいものですから」と一言加えるだけで、「こちら側の状況のせいで、あなたに非はない」というニュアンスがにじむ。

 気配り、心配りの一言を添えながら、円滑なコミュニケーションをしていこう。

伺う形 /相手の都合や意向を伺えば依頼も印象が柔らかに

取引先や上司に書類の受け渡しを頼む場合
  Aさんに、お渡しください
  Aさんに、お渡しいただけますか?
  Aさんに、お渡し願えますか?

「いただけますか」「願えますか」という表現をすると、「お手間をかけて申し訳ありません」という配慮が伝わる。

上司に、休みを願い出る場合
 × 明日はお休みいたします
  明日は、(お)休みを取りたいのですが、よろしいでしょうか?
  明日は、休ませていただいてよろしいでしょうか?

「お休みいたします」は報告の表現だが、言い方によっては一方的に権利を主張しているようにも聞こえる。「~よろしいですか」と、許可を求める形にするだけでも違ってくる。

取引先や上司に書類を確認してもらう場合
  この書類をご確認ください
  この書類をご確認いただけますか?
  この書類をご確認いただけませんでしょうか?
  この書類にお目通しいただけますか?

「ご確認ください」は敬語として間違ってはいないが、「ご確認いただけますか」と都合を伺う形にすると、より丁寧な表現に。