戦略的思考を育てる5つの習慣

2012年2月15日

「知ってはいるが、説明できない」の対策法

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 先日、テレビで面白いニュースを見ました。イソップ物語の『カラスと水差し』に登場する賢いカラスの話(細長い水差しに小石を入れて水を飲む)が、ただの作り話ではないことが、イギリス・ケンブリッジ大学の実験によって証明されたそうです。実験は次のとおり。


 長さ一五センチの水差しに半分より少なく水を入れ、その上にエサを浮かべ、カラスの近くに置く。水差しの口が狭く、エサにくちばしを届かせることのできないカラスは、しばらく水差しの周りをうろついていた。ところが次に研究チームがカラスの前で水差しに石を落としてみせると、カラスは驚くべき行動に出る。「石を落とすことで水位が上昇する」を学習したカラスは、なんと自発的に小石をくわえ、一つずつ水差しの中に落としていったのだ。そして水位を上げ、見事エサを獲得した。また、水の量をあらかじめ増やして(水差しの半分以上)同様に実験を行ったところ、今度はカラスは石をたくさん落とすことをせず、一つだけ落としたのである。

 しかも大小さまざまの石を混ぜて置いておくと、ちゃんと大きい方の石を選んで落とす。石が大きい方が早く水位が上がることを、ちゃんとわかっているのだ。こうした実験結果について研究チームは、「カラスも道具が使えるくらい高い知能を持っている。イソップ物語の教訓『必要性を感じることが発明の原点である』、これが事実であると証明された」と述べた。

 「人的ネットワーク」と合わせて、一般的に女性に不足している能力がこうした「戦略的思考」です。感性的なものに秀でていればいるほど、「戦略と論理」の面で弱い場合が多く、感情をきちんとコントロールできないがために、業務上の能力を低く評価されているケースが意外に多いのです。

 社会で繰り広げられている「ゲーム」において、戦略的な思考は非常に重要です。たとえば仕事を進める上で、どの方法がもっとも効果的であるか、もし行きづまったら誰にどうやってヘルプを頼むか、A案が通らなかったらB案をどう伝えるか……こうした問題には戦略的なアプローチが欠かせません。ただ漠然とゲームに臨んでいると、完全武装した男性陣の牙城を崩すことはできないのです。

 では戦略的思考のポイントは何だと思いますか? 私は「物事を論理的に考える力」と、「洞察力」だと思っています。問題を論理的に分析し、解決策を模索する過程と、過去と現在を元にして未来を洞察する過程。これが戦略的思考ではないでしょうか。私はこうした能力を「戦略知能」と呼んでいますが、これは知能といっても生まれつきのIQとはまったく関係ありません。

 かくいう私も、「戦略知能」を高めるために長い間努力をしてきました。その方法は「読書」です。第三者の経験を一番安く、そして手っ取り早く自分のものにするには読書しかありません。しかし区の職員に「最近どんな本を読んでいるのか」と尋ねると、たいてい「忙しくて本を読む時間がない」との返事が返ってきます。残念でなりません。

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Profile
金榮順
金榮順(キム・ヨンスン)
1949年、韓国中部の忠淸北道生まれ。
梨花女子大学を卒業後、漢陽大学大学院で政治学修博士号を取得。国内第一党のハンナラ党で要職に就いたのち、大田大学経営行政大学院で教鞭を執る。日本の早稲田大学にも1年間在籍。2006年、ソウル市で女性初の区長に当選し、アトピーの子ども専用の保育園開設や、子どものための図書館建設など、女性ならではの視点で数々の業績を残した。2011年、韓国の政治史上初の大統領女性特別補佐官に任命された、まさに韓国女性たちの星ともいうべき存在。自らも3人の子どもを育てあげ、2人の孫のおばあちゃんでもある。
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