前回にも老後資産を積み立てるうえで少しでも利率がよいほうが有利だとお伝えしました。毎年60万円を30年間積み立てる場合も運用利率により資産の増え幅が大きく異なります。
0.5%複利 約1946万円
3%複利 約2940万円
5%複利 約4186万円
少し高い運用利率を目指すには資産運用を学ぶことも大切です。ここで商品によるリターンの違いをみていきましょう。
普通貯金 0.02%(2012年1月13日現在 メガバンク)
定期預金 0.35%(1年定期 冬のボーナス特別金利 ソニー銀行)
個人向け国債 0.72%(第37回 変動10年 利子計算期間 H24.1.16〜H24.7.15)
株式の期待リターン 5%程度
※税引前で比較
ここで注意しなければならないことは、元本の安全性が高く利率が決まっている預貯金や国債と株式投資は全くちがうということです。
株式投資の期待リターンというのは投資をする資金に対して、平均的にどれくらいのリターンが見込まれるかを示したものです。リターンは年によって+10%になったり、▲5%になったりして大きくぶれます。
期待リターンからの変動幅のことをリスクといいます。株式投資のリスクは20%程度といわれています。統計的には約96%の確率で期待リターン5%から上下20%の2倍の40%変動する可能性があります。つまり、▲35%から+45%の幅で変動するということになります。少し難しいかもしれませんね。
簡単に考えると株式投資をする場合、ドル預金のように自分の資産が日々元本の変動にさらされることになります。こうしたリスクに対する見返りとして長期的には預金や国債よりも高いリターンを得ることができるのです。
できる限り損を避けるために知っておきたいこと
まず、初心者が資産運用を始める上で一番大切なことは投資にまわす金額をおさえるということです。冷たいプールにいきなり飛び込むのではなくて、足元から徐々に慣らしていくのです。
最近は株式や投資信託も小口化されてきました。投資信託は銘柄によっては1000円以上1円単位で積み立てることが可能です。つまり、節約で浮かせた1001円を毎月積み立てることも可能なのです。投資額が1000円なら仮に最悪のケースの▲35%になってしまったとしても損をするのは350円で済みます。
分散投資が大切
リスクをおさえる上でもう一つ有効な方法は投資対象をできる限り分散させるということです。
たとえば、日本株に投資をするのであればA企業の個別株ではなく、TOPIX(東証株価指数)など株価指数に連動する投資信託がおすすめです。
東証株価指数(TOPIX)は東証市場第一部に上場している全ての日本企業を対象とした株価指数です。A企業の個別株に投資する場合、A企業に関するニュースを常に追いかけなければなりませんが、複数の銘柄に分散された投資信託を持っている場合はもう少しゆったり構えることができるのです。
TOPIXや日経平均株価のような指数に連動した投資信託をインデックス型投信といいます。
インデックス型投信でおすすめの商品は三菱UFJ投信が運用する「eMAXIS(イーマクシス)シリーズ」や住友アセットマネジメントが運用する「STAMインデックスシリーズ」です。たとえば、次のような商品をネット証券などでは毎月1000円以上1円単位で積み立てていくことができます。
(例)eMAXIS TOPIXインデックス
最初は日本株から積み立てを始めればOKですが、慣れてきたら日本株と外国株など値動きの違う商品を組み合わせるとさらに分散効果は高くなります。
(例)eMAXIS 全世界株式インデックス※
※日本を除く先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資信託
これらの商品を購入するにはネット証券に口座を開設して積み立ての申し込みをするだけです。ネット証券はメインバンクから資金移動のしやすさで選びましょう。たとえば、マネックス証券やカブドットコム証券は主要銀行からの引き落としに対応しています。
習いごとの体験入学くらいの小さな元手で資産運用の勉強を始めることができますね。
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