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白河桃子さん:健全な消費と不謹慎の境目

2011年3月23日

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 東京で震度5を体験した後すぐに書いたものを読み返しましたが、もう使えないと思いました。それほど、多くのことが変わってしまった。明日は今日の続きではないと、誰もが実感しているのが今ではないでしょうか?

 誰もが被災者の方々のために、この未曾有の危機のために、何かをしたいと思っています。今何ができるのか…。テレビの画面を呆然と眺めていた最初のショックから立ち上がり、もどかしい思いをしながら、誰もが動き出しています。

 自分のできることは何だろう? そう考えると、まず節電。自宅仕事の多い、もの書き仲間はみな、ダウンを着て仕事中です。パソコンは消せないので、せめて暖房は使わないと、申し合わせたわけではないのに、同じ気持ちでした。

 それから、寄付。私はまずご縁があるJENにまず寄付しました。義援金には緊急援助に使えるものと、プールされ、復興に使われるものがある。すでに被災地で活動している経験豊富なJENには緊急援助の寄付をと思いました。次の講演料は後々使われる復興への義援金にするつもりです。

 そろそろ個人の物資の受付も各自治体の窓口ができてきました。いずれ個人ボランティアも現地に行けるようになるでしょう。

 誰もが自分のできることを探している…。そんな中、大震災から1週間すぎた3連休に、一人暮らしの女子からこんなメールをもらいました。

「暗い気持ちを吹き飛ばすためにカラオケにいってきました」

 被災した方たちが震えながら夜をすごす今、これって不謹慎でしょうか?

 いえいえ、それは違うと思います。彼女は普段は一人暮らしの家ではずっと暗くしてラジオを聴いています。そんな彼女が開店しているカラオケ屋さんで、自分の気持ちをアップするために、カラオケを歌う。家で電気を使うこととカラオケに行くこと…。実は家で電気を使うことより、ひょっとしたら節電になるかもしれない。お客がいなくてもカラオケ屋では電気を使っているのですから。そしてカラオケ屋さんにお金を落とすことで、お金が回っていくのです。

 幸いにも普通の消費活動ができる人は、買いだめして家にこもるだけでなく、健全な消費者になることも、日本を助けることになるはずです。周りの友人たちの間では、徐々に「不謹慎かもしれないが健全な消費者として経済活動しないと」という動きが広まっています。

 飲食業界の知り合いから、「このままでは個人の店はつぶれてしまいます。こんな折り、不謹慎かもしれませんが、ぜひ行かれる方はレストランに食事にいってください」という悲鳴のようなメールもいただきました。

 誰もが家にこもっていたら、多くのお店はつぶれ、いずれ大企業にも余波は及びます。これから続く長い復興へ道、気が遠くなるほどのお金がかかるはずです。税金を払う会社がつぶれてしまったら、どうやって家も仕事も、そして家族も失った人たちを支えることができるでしょうか?

 特に西日本でこれを読んでくださっている皆さん、西日本の電気は東には大量には送れません。周波数が違うからです。海外の友人には「EUではいざというときに融通しあえるように、全部の国の電圧を一定にしてある。小さな国なのに不思議ですね」といわれました。そういった日本という国の構造への批判はともかく、西日本の方は今無理して節電せず、ぜひ日本の経済が少しでも回るように、外食したり、被災地に必要ではない不要不急のもの、ファッションや美容に消費してください。今日本全体にお金を回すための消費活動も、「できること」のひとつなのです。

 まだまだ余震の続く中、一人暮らしの部屋に帰る人たちには、「私だったら心細いだろう」と時々メールを送っていました。ある独身編集者は「おいで」といわれて、名古屋の友人宅に3連休行ってきたそうです。

 「助かった。一人で部屋にいても怖くて。おいでって言われたらどこでもいったと思う」

 「おいで」といえる人はぜひぜひ言い合いましょう。私も広島と長崎の友人から「おいで」という電話をもらい、とても嬉しかった。

 節電のため、合宿みたいに何人かで寄り集まって、しばらく暮らしてもいいかもしれません。ひとつ部屋に集まって、カセットコンロの鍋をつつけば、気持ちも暖かくなります。

 計画停電を避けて、集まれるなら友人同士、外食してもいい。後ろめたい人はその場でケータイからワンクリック募金してもいい。誰もが人とつながりあいたいと思っているとき…。「大丈夫だった?どうしていた?」と声を掛け合うだけでもいい。

 避難するときに必要なものを防災袋に詰めながら思いました。本当に持って行きたいもの…。それは人との絆だけかもしれないと。

 最後になりましたが、東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、今、日本のために不眠不休、わが身を省みず働いてくださっている方々に尊敬と感謝をささげます。

◆募金の受付窓口等のまとめページ
 ⇒ http://volunteer.yahoo.co.jp/disaster/list/0047.html

※変更履歴:本文中「電圧が違うからです」となっていた部分は「周波数が…」の間違いでした。お詫びして訂正いたします(3/23訂正済み)

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Profile
白河桃子
白河桃子(しらかわ とうこ)
ジャーナリスト&ライター。慶応義塾大学卒。東京生まれ。家族社会学会会員。「婦人公論」「AERA」「プレジデント」「東洋経済オンライン」「日経」新聞サイト、その他多数女性誌に執筆。女性の年代別ライフスタイル、未婚、晩婚、少子化などに関するインタビューがテーマで、その膨大な取材量には定評がある。「婚活時代」(ディスカヴァー21刊)で山田昌弘中央大学教授ととも提唱した「婚活」は2008年度に続き2009年度も流行語大賞にノミネートされるほど世の中に影響力を持つワードとなり、今日も注目されている。公式ブログ
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