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ウーマンオブザイヤー2011

専業主婦が地域支援で北海道最大級NPO(2/3)

2011年3月11日

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地域づくりとして多様性が交差する場をつくる

 生活保護率が全国平均の4倍以上、50.2‰(注)という北海道釧路市で、生活支援事業に10年間かかわってきたのが日置真世さんだ。2000年に日置さんが立ち上げたNPO法人「地域生活支援ネットワークサロン」は現在、釧路市周辺に20の拠点、事業数約30を持ち、スタッフの数は150人以上。10年度の事業収入は4億3000万円を見込む、道内では最大規模のNPOになった。設立当初は年間収入300万円程度の事業を、10年で100倍以上に育てたのだ。

多様な市民が集う地域のたまり場として機能している冬月荘。北電寮だったころの建物をそのまま使う
集会室は、子育て中の母親などにランチを提供したり、勉強会を開くスペースとして使われている。2階には、見守りなどの支援が必要な人が共同で下宿する。住人会議を行うなど運営にも参加する

 福祉はこれまで、対象者ごとに施設が設けられていた。だが、同NPOが運営する「コミュニティハウス冬月荘」(釧路市)は、障がい者から子育て中の親、若者、高齢者、生活保護受給者など福祉を必要とする人もしない人も一緒に集い、生活の中で感じる課題の解決に向けて行動する拠点として機能している。日置さんは、地域の多様な場面で「たまり場」としての機能を持たせる道筋をつけた立役者だ。

 冬月荘は、07年に同NPOが購入した木造2階建ての元北海道電力の社員寮を活用した建物。1階の集会室では、高校受験を控えた中学生や資格取得を目指す高校生向けの無料勉強会や、子育て中の親子の食事会などが開かれ、さまざまな人が集う。ここで学んだ中学生が、高校生になっても引き続きチューター(講師役)として世話役に回るという循環も生まれている。

 福祉の分野でも対象者を限定せずに、高齢者・子ども・障がい者のケアを同じ施設で行うモデルがある。しかし、日置さんが立ち上げたこのサロンは、福祉の対象を限定しないだけでなく、対象者も地域社会の担い手として社会参加の機会を創出している点が新しい。

 与えられるだけの福祉から、共に社会参加することで、公金に依存するばかりでない半公共的な拠点を地域でつくれる。結果として、資金や人材などの限られた資源を有効に使うことになるこの仕組みは、多くの自治体からも注目されている。

 08年に、北海道は冬月荘をモデルにしたコミュニティーハウスの制度化を政府に道州制特区として提案。09年、国も社会福祉法の見直しの中で検討する方針を固めるなど、日置さんのチャレンジは行政をも動かしている。「人を支えるという役割を官だけが担うのではなく、教育や子育て、街づくりなどに地域で関わる一人ひとりが参加し、役に立ち合う社会を作り、その活動を社会全体として応援する」(内閣府)――。この「新しい公共」モデルとして、日置さんは10年、内閣府による女性のチャレンジ賞、新しい公共部門も受賞した。

(注) 単位は1000分の1を1とするパーミル。09年12月調べ

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