「あなたのため」は、愛という名の支配かもしれない

アイコ先生「たとえば、誰にどんなふうに反対されるの?」
アユミさん「えーと、たまたまルックスのいい営業職の彼とつき合っているときは、『顔が良くて口のうまい男はダメ!!絶対いつか裏切られるから結婚だけは思いとどまった方がいい』と友人が。彼女は絶対に自分を裏切らない男を見抜けるらしいです」
アイコ先生「ほう。ほかには?」
アユミさん「えーと、起業したばかりの方とつきあっているときは、『もし会社が倒産したらどうするの。自営業なんて何の保障もないんじゃないの?!』と猛反対。姉夫婦は、共に勤続10年以上の公務員です」
アイコ先生「ははぁ。ほかには?」
アユミさん「会社員ならいいのかと思ったらそうでもなくて、彼の会社名を言ったとたんに『それ、なんの会社?聞いてもわからないような会社に勤めている人なんてよしなさい!』と母がバッサリ。母の親類は、いわゆる大企業に勤めている人ばかりなので」
アイコ先生「もしかして、ほかにも…ある?」
アユミさん「あります。転職歴のある彼とつき合っているときは、『仕事をコロコロ変えるような我慢のきかない男は信用ならん。ダメだ、俺は会わんぞ』と父が。うちでは父が“なし”と言った話は、今後一切“なし”なんです」
アイコ先生「なるほど。この調子じゃ、どんな人を連れて行ってもケチがつきそうね。アユミさんが家族やお友達から可愛がられていることは、よ〜くわかるけど」
アユミさん「みんな『アユミのため』って言うんですけど、もう私もアラサーですよ?!」
アイコ先生「周りのみなさんに怒られそうだけど、『あなたのため』っていうのは愛情の姿を借りた支配かもしれないわね」
アユミさん「支配?みんながしてくれてるのはアドバイスのようなものかと思っているのですが…」
アイコ先生「まあ、形としてはアドバイスだけどね。もし支配と見るなら、可愛がられ、心配され、守られるという楽チンなポジションは確保できるけど、他人の都合や価値観で人生を左右されることになると思わない?」



